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平原綾香、全国ツアー28公演を完遂!最終公演NHKホールのオフィシャルレポート

October 22, 2018 18:00

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平原綾香、全国ツアー28公演を完遂!最終公演NHKホールのオフィシャルレポート

平原綾香の、デビュー15周年を記念したツアー『平原綾香 15th Anniversary CONCERT TOUR 2018 ~ Dear Music ~ 』のファイナル公演が、10月21日に東京・NHKホールで開催された。

会場全体にオーケストラの演奏による「Jupiter」が流れる中、平原綾香がステージに登場し、映画『天使にラブ・ソングを 2』の挿入歌であり、平原綾香自身が高校時代の文化祭でこのミュージカルを演じ、デビューのきっかけにもなった曲「Joyful, Joyful」をア・カペラで歌い始めた。その後バンドが入ってアップ・テンポになり、会場は一気に盛り上がっていく。彼女にとって“原点”ともいうべきこの曲を、コンサートの1曲目に選んだということからも、15周年記念のコンサートにかける彼女の想いのようなものが伝わってくる。それに続く「Voyagers」も軽快な楽曲で、客席も次第に熱を帯びていく。

そして“この15年間、いろいろなチャレンジを続けてきましたが、私にとって、歌を歌うこと自体が大きな挑戦でした。音楽に励まされ、勇気付けられ、打ちのめされ、そこから立ち直り、という15年間だったような気がします。そんな平原綾香の15年の音楽の旅をお楽しみください”と彼女が語り、「おひさま~大切なあなたへ」「ノクターン / カンパニュラの恋」「Eternally」「Reset」と、ちょっと懐かしい彼女の代表曲が歌われていく。こういった選曲も15周年ならではだと思うが、歌詞とメロディをじっくりと、そして語りかけるように歌う歌声は、まさに平原綾香ならではの世界である。特に英語詞と日本語詞を織り交ぜながら、感情を絞り出すように歌い上げた「ノクターン / カンパニュラの恋」の熱唱は圧巻だった。またギターの伊藤ハルトシはチェロもプレイするため、よりクラシカルなサウンドにも対応できて、彼女の世界観をより濃密なものにしていた。

そしてここから、コンサートごとに歌う曲が変わる“日替わりコーナー”になり、この日は、子供の頃から自宅で父が聴かせてくれていた曲で、今回初めてカバーするという、レイ・チャールズの歌で知られる「Georgia On My Mind」が歌われた。

こういったR&Bテイストの楽曲は彼女としては珍しいが、それでもしっかりと歌を自分のものにしているからさすがだ。そして途中から、彼女の父親でありベテラン・サックス奏者でもある平原まことがゲストとして登場。実は2日前に思い立って出演を依頼したということだが、ソウルフルなサックス・ソロを披露し、その感動的な演奏に彼女も思わず涙するという場面もあった。

さらにアコースティック・ギターとのデュオで、玉置浩二が彼女のために書き下ろした「マスカット」をしっとりと歌い、続けてNHKのトリノ・オリンピック放送のテーマ・ソングだった「誓い」を大らかに歌って、ここで1部が終了。

休憩を挟み、口笛のメロディから2部がスタートした。ここから彼女が出演してきたミュージカル楽曲のパートだ。まずは今年の春に主演をつとめた『メリー・ポビンズ』から、「Chim Chim Cher-ee」と「Supercalifragilisticexpialidocious」が華やかに歌われ、さらに、女性シンガー・ソングライターのパイオニアともいうべきキャロル・キングの半生を描き、平原綾香自身がキャロル・キングを演じた2017年のミュージカル『Beautiful』から「(You Make Me Feel Like) A Natural Woman」がエモーショナルに歌い上げられた。ここ数年ミュージカルへの出演が多くなってきている彼女だが、元々“歌を演じる”ことに長けていたその歌声が、こういったミュージカルの経験により、より表現力を増し、より深い世界観を表現できるようになってきているなという印象を受けた。

さらに歴史的なジャズ・トランペッター、ディジー・ガレスピーの楽曲「A Night In Tunisia」を、ボイス・パーカッションや独自の“あーや語”によるスキャットを交えながらスウィンギーに歌い、彼女の音楽の世界の幅広さを見事に表現していた。どんな歌も自分のものにして、独自の世界観を作り出すことのできる、ほんとうにすごいシンガーだと思う。

そして「虹の予感」「HUSH HUSH」「Tweet your love」「La La LOVE」「Smile Smile」と、アップ・テンポのナンバーがメドレーで歌われ、観客も総立ちで手拍子を始めて会場のボルテージも一気に盛り上がっていく。バラードの印象が比較的強い彼女だが、こういった軽快なナンバーもとても魅力的で、躍動感溢れる歌声が聴き手を勇気付けてくれる。

そして彼女が衣装替えのために一旦ステージを降り、「星つむぎの歌」がバンドのみで演奏されたのだが、普段のコンサートでは観客と合唱するのが定番になっていることもあり、サビになると観客たちが自発的に歌い出した。こういったところからも、彼女とファンの絆の深さを感じ取ることができた。そして再び平原綾香がステージに登場し、「スタートライン」「ソメイヨシノ」「これから」「明日」と、彼女の歌唱力、表現力のすごさが存分に伝わってくる楽曲が歌われ、会場のすべての人が、そのスケールの大きな歌声に魅了されていく。ひとつひとつのメロディ、そして一言一言の歌詞をじっくりとリスナーに伝え、歌の世界に引き込んでいく歌声は、まさにワン&オンリーだ。平原綾香というシンガーの素晴らしさ、大きさ、そして優しさがダイレクトに伝わってくる歌は、心から感動的だった。

そしてコンサートの最後の曲として、デビュー曲であり、彼女の人生を変えた名曲「Jupitar」が歌われた。
15年の時を経て、様々な経験を重ね、時には挫折を感じたり壁にぶち当たったりしながらも必死に歌い続けたことによって、現在の平原綾香が歌う「Jupitar」は15年前よりもさらに深みを増し、さらに広い世界観を表現し、さらに多くの感動をリスナーに届けてくれるようになっている。進化した「Jupitar」の歌声は、まさに圧巻だ。彼女は、様々なジャンルを飛び越え、もはや“平原綾香というジャンル”を確立してしまった。歌が終わった後、満員の観客もスタンディング・オベーションで応え、コンサートは大きな感動の中終了した。

そしてアンコールでは、和歌山県のテーマ・パーク“アドベンチャーワールド”の40周年を記念して書き下ろされた楽曲で、同パーク内でしかCDを購入できないという貴重な楽曲「5つの魔法」がハッピーに歌われ、ここから彼女のコンサート恒例の、コンサート・グッズを紹介する“あーやShop”のコーナーへと続いていく。ここでのフレンドリーなトークは、彼女の存在がより身近なものとして感じられるという、今やコンサートになくてはならないコーナーだ。そして“15年間、私を支えてくれたすべての人、家族に感謝します。感謝の気持ちを込めて、音楽を道しるべに、これからも歌い続けていきたいと思います。これからも平原綾香の歌を愛してください”と語り、歌うことに対する“決意”と“覚悟”を歌った「Music」で、15周年記念コンサートは幕を閉じた。

平原綾香の歌い手としての進化、成長もその歌声からダイレクトに伝わってきたし、さらにどんな歌も自分の世界観を作り上げ、リスナーを自然にその世界に引き込んでしまう平原綾香という歌手のすごさ、素晴らしさ、スケールの大きさ、表現力の深さに圧倒され、心からの感動を与えてくれたコンサートだった。そしてそれだけではなく、とても温かく、ハッピーな気持ちにもさせてくれた、心のこもったステージでもあった。15周年というのは、きっと彼女にとってはただの通過点であり、これからも彼女は、さらに進化を続けながら、様々な歌声をリスナーに届けてくれることだろう。そんな未来への希望も感じさせた、とても内容が濃く充実したコンサートだった。

文:熊谷美広
カメラマンクレジット:西岡浩記

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