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植田真梨恵、ロンリーナイト マジックスペルツアー大阪でファイナル!

February 19, 2017 00:30

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植田真梨恵、ロンリーナイト マジックスペルツアー大阪でファイナル!

星も凍てつくような寒い夜に聴いてほしいアルバムができました―――。メジャー2枚目のアルバムを引っ提げたツアー<植田真梨恵LIVE TOUR 2017[ロンリーナイトマジックスペル]>が大阪味園ユニバースでツアーファイナルを迎えた。

午後6時、猥雑な繁華街を抜け、古びた建物の扉をくぐる。赤いらせん階段を降りるとそこは異世界だった。昭和の匂いと釣りさがる惑星、かつて巨大なキャバレーとしてにぎわっていた空間は、レトロでありながらどこか近未来的な不思議な空気を醸し出している。千人近いであろう夢のような人が今か今かと待ちわびている。BGMが絞られ、フィルムが回る音とともにステージ上の白幕に映し出されるどこかの子供部屋の風景。ほの暗く柔らかなランプの光に照らされたベッド、物語を読み聞かせる母親の声、次第にまどろみ、ゆっくりと瞼が閉じて…

スぺ―シーなSEに切り替わり、ツーツツツーツー…モールス信号が響きはじめると、ステージにバンドメンバーが姿を見せ、最後に、ゆっくりと間をあけて植田が登場。一気にフロアが歓声に包まれた。不思議な世界の余韻を断ち切るようにドラムフィルが鳴り響き、3rd シングル「わかんないのはいやだ」でライブの幕が開け、一気に引き込まれていく。

インディーズ時代の楽曲を挟んで、昨夏の赤坂BLITZでのあふれるシャボン玉も記憶に新しい「ふれたら消えてしまう」と序盤でシングル曲を畳みかける。華奢な体にテレキャスターデラックスが似合う。味園ユニバースに集まったファンを見渡すように視線を向け、大阪が自分にとってとても大切な場所であること、故郷福岡から出てきてもう十年がたったこと、そして十年経った今夜、こうしてここ味園ユニバースでこんなに沢山のみなさんと過ごしていることがとても不思議だと思うことを感慨深げに語る。「悪い夢」「おおかみ少年」「ペースト」とミディアムナンバーを中心に聴かせたあとは、遠い未来のことでもなくて今ここにあるものだけを抱きしめている曲、自分とは何者だろう、本物とはなんだろうと思いながら曲を作っていた頃の曲と語り、インディーズ時代の人気バラード「愛おしい今日」を披露。中盤では、ピアノの西村広文を残してバンドメンバーが去り、ピアノとアコギ、そして歌というシンプルな編成で、「夢を信じられなくなりそうだった時に作った曲です」と語り「僕の夢」を。続けて二人だけで「ハイリゲンシュタットの遺書」「変革の気、蜂蜜の夕陽」と立て続けに演奏。そぎ落とされた編成だからこその余白と張りつめた空気感と、何よりもより表情を増した植田の歌声が胸にささる。

バンドがステージに戻り、「I was Dreamin’ C U Darlin’」。アウトロでは楽器がひとつずつ抜け、最後に残された植田のハミングが静かに空間に消えていくと、突然、ウエスタン風のSEが流れ、照明が落ちる。再び照らされたステージには、テンガロンハットをかぶった植田と馬のマスクをつけたギタリスト。出発を叫ぶような陽気なかけ声からアコギをかき鳴らし「WHO R U ?」へ。植田のとにかく楽し気な表情。ギターとピアニカがユニゾンで競うように歌うと歓声があがり、その後も「パエリア」をモチーフに野菜のレプリカをキャッチボールしたり、ライブ終盤には色とりどりのレーザー光線が飛び出し、夢幻感がさらに加速。キックに乗せて、バンドメンバー紹介からのシンガロング。満を持して、アルバムのリードトラックでもあるバラード「ダイニング」、そして犬の鳴き声から始まる「犬は犬小屋に帰る」で両手を振ってひとつになると、本編最後を締めたのは冬の雪原を白い煙をまといながら駆け抜けていくSLを思わせる「JOURNEY」。アウトロに向かって、植田とバンドメンバーがステージ中央に集まり、体じゅうでグルーブを体現しているかのように一つになり、最高潮のままライブ本編は終わりを告げた。

アンコールでは、「メリーゴーランド」そして、レーザーが縦横無尽に駆け巡るパレードのような光景が広がった「カルカテレパシー」。すべてを出し切るように、体全部が喉なのではないだろうかと思うほどのフェイク。最後に「ロンリーナイトマジックスペルツアー、終幕!」と叫び、2017年1月13日にSHIBUYA TSUTAYA O-EASTで幕を開けたツアーがとうとう幕を閉じた。

ライブを見ながら、皆さんが幼い頃を思い出すようなライブにしたいとどこかで植田が語っていたことをふと思い出したが、今現在、夢の真っ只中にいるために生活している場所でのファイナルということもあったのだろう、植田自身が「歌手になりたい」という夢を追いかけてきた自分の足跡を振り返っているような、そんなライブだったように思う。夢をたくさん集めたアルバム「ロンリーナイト マジックスペル」のファイナルにふさわしい、昔からの多くの人の夢がたくさん詰まった味園ユニバースという場所で、幻想的な夢世界も、植田真梨恵が生きて、今まさに歩いている未来に続く夢も、すべての夢がそこにある、ツアーファイナルにふさわしい2時間強だった。ステージの上の植田真梨恵は美しい。

なお、植田は来月もHAPPY JACK、SANUKI ROCKに参加、初夏には映画「トモシビ」への出演も決まっており、2017年もとまることなく、夢の詰まった作品をたくさん届けて、自分自身の夢を叶えていくのだろうと思う。


□ 2/18 SET LIST

わかんないのはいやだ
RRRRR
ふれたら消えてしまう
悪い夢
おおかみ少年
ペースト
スペクタクル
愛おしい今日
僕の夢
ハイリゲンシュタットの遺書
変革の気、蜂蜜の夕陽
I was Dreamin’ C U Darlin’
WHO R U ?
パエリア
中華街へ行きましょう
まわる日々
夢のパレード
ダイニング
犬は犬小屋に帰る
JOURNEY
EN1. メリーゴーランド
EN2. カルカテレパシー


■ 植田真梨恵オフィシャルサイト
http://uedamarie.com/

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  インフォメーション

植田真梨恵LIVE TOUR 2017 [ロンリーナイト マジックスペル]
1.13(金)東京・TSUTAYA O-EAST
1.15(日)宮城・仙台CLUB JUNK BOX
1.22(日)北海道・COLONY
1.29(日)香川・高松MONSTER
2.4(土)愛知・E.L.L.
2.5(日)広島・Cave-Be
2.11(土)熊本・Be.9 V2
2.12(日)福岡・イムズホール
2.18(土)大阪・味園ユニバース*FINAL

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