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スキマスイッチ TOUR2016 "POPMAN'S CARNIVAL" supported by MINISTOP ライヴレポート

スキマスイッチ TOUR2016 "POPMAN'S CARNIVAL" supported by MINISTOP ライヴレポート

July 20, 2016 18:30

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今年7月9日でデビュー13周年を迎えたスキマスイッチが4月22日(金)、千葉県・市川市文化会館を皮切りに、【 TOUR2016"POPMAN’S CARNIVAL"】を開催。アルバムを携えるのではなく、ライヴをしたいと思う彼らの初期衝動をコンセプトにした新しいスタイルの今ツアーは、全国20ヶ所全23公演に及び、7月12日(火)東京・昭和女子大学 人見記念講堂にてファイナルを迎えた。

山寺宏一による軽快な陰アナがライヴの始まりを知らせると、オーディエンスの手拍子を浴びながら、バンドメンバーの村石雅行(Dr)、種子田健(Ba)、太田貴之(Gt)、浦清英(Key)、松本智也(Per)、本間将人(Sax)、田中充(Tp)が登場。続いて大橋卓弥、常田真太郎も登場するが、ライヴスタート時特有の緊張感はなく、オープニングインストから会場はリラックスムード。3曲目、“飲みに来ないか”で高らかに響くホーンの音色。“この曲でミラーボール演出はどうなんだろう?”と思っていた筆者は、すぐさま自分の浅慮に気付く。この後、何度となくニヤリとさせてくれるライヴアレンジの数々、さすがスキマスイッチだ。今回は早くも脱帽。原曲のイメージを保ちつつグルーヴを加えたアレンジで、常田はバンドメンバーに拍手を贈っていた。

「スキマスイッチでーす! POPMAN’S CARNIVALへようこそ!」ここ数年…特に去年くらいからだろうか。大橋の挨拶に歓声は波のように何度も打ち寄せながらなかなか消えることがない。本人たちも「凄いですね。まだ3曲くらいですよ。」と笑顔を見せる。先に記したように、今回は作品を引っさげたツアーではなく、彼らがライヴをしたいと思った時に出来る新しいコンセプトのツアー。そのためセットリストも、今、彼らが歌いたい、演奏したい曲で構成。更にライヴでのリアレンジも普段より多めに盛り込むらしく、「イントロを聴いても何の曲か分からないと思うので(笑)、そこも含めてフラットに楽しんでもらえれば。」と、今ツアーならではの楽しみ方を望む大橋。The Policeの“Every Breath You Take”を彷彿とさせるイントロアレンジの“水色のスカート”に続き、5曲目のイントロ、ボンゴが強く深い音色を響かせる。大橋の「フラットに」という言葉に習い、あえてセットリストは見ずにいた筆者は“これはきっと「雫」だろう。”と予想。しかし正解は“かけら ほのか“。見事にはずれた。(別にクイズではないが)でも面白い。やはり彼らのライヴは、パフォーマンスだけでなく秀逸なアレンジで楽しませてくれる。“1+1”、大橋の中音域の歌声はオーディエンスをゆったりと音の世界に誘い、常田の美しいピアノの音色は彩りの道標になる。

会場を湧かせたドラムソロから繰り広げられる“僕と傘と日曜日”に続き、大橋のエレキに激しく照明が瞬く“ソングライアー”は、けだる気なメロディに乗るクールなホーンとベースがキーボードのグルーヴと絶妙に絡み合い、ギターをフィーチャーしたアウトロで大きな歓声を生み出した。

「普段のツアーではやらないことをもうひとつやりたいと思います。」大橋がそう言うと、バンドメンバーの面々がステージの前へ移動し、オーディエンスと近い距離での演奏を試みることに。その準備中、大橋と常田は双眼鏡の話に。近い距離で双眼鏡を構える人に対して大橋は自分のおでこを指差し「ここしか映らんっちゅーの!」とツッコみ会場を笑わせる。この日は「BSスカパー! 」で生中継していることもあり、カメラの多さに最初は緊張感を見せつつもすぐにいつもの雰囲気に戻り、その後も大橋のヘアセットや唇の角質の話などで笑いは続く。また今回のツアーでは、地元愛知(特に6月9日の愛知県・緑文化小劇場がある場所は常田の出身地)も回りながら、二人が初めて上京したこの三軒茶屋でファイナルを迎えたことに感無量な常田。大橋も、いつもより本数は少ないも、内容の濃いツアーだったと振り返った。準備が出来たバンドメンバーを改めて紹介すると、いつもと違うステージングで、アコースティックコーナーへ。

16712_1907_20160720.jpg懐かしいナンバー“君曜日”では田中のトランペットに本間が手でミュート、息の合った二人のコンビネーションでユニークな音を奏でるとオーディエンスからも「おー!」と声が出る。更にミニストップのCMソングとして作られた“フレ!フレ!も披露。続く“ボクノート”は、原曲の優しさやサビへの広がりは保ちつつ、アコースティックアレンジに合わせた大橋の歌声は瑞々しく躍動感に溢れていた。

バンドメンバーが元の位置に戻り、“LINE”、“ユリーカ”でボルテージを上げると、「まだまだいくよー!元気残ってますか?東京!!」大橋の言葉とドラムのリズムが更にオーディエンスを煽り、ライヴも後半へ。
“パラボラヴァ”のアウトロ、大橋と常田が一瞬目を合わせたかと思うとそのまま”Ah Yeah!!”へ。歓声とクラップが入り交じりながらサビではタオルが舞い上がり、会場はそのリズムに揺れた。“全力少年”への導入、定番のオーディエンスとの掛け合いでは今回も大橋の負けず嫌いさが出る(笑)。無理難題なメロディを突きつけ、会場からの笑いまじりのブーイングが起こると満面な笑みを浮かべる。こうやって垣根なく音楽を楽しむファンとのコミュニケーションは、彼ら自身のテンションも上げる。歌が始まり「じゃあ騒ぎますか!」と言うと、大橋はフロアに降りてしまった。

16712_2267_20160720.jpg響き渡る歓声を浴びながら揉みくちゃにされる大橋に会場のテンションもMAX!ステージに戻ると、ピアノの上からジャンプ!熱狂の拍手と歓声が降り注いだ。

「そこ行ったら全然通れないの!すごいパワー!」と、まだ興奮冷めやらぬ様子の大橋は「めちゃくちゃ楽しいファイナルでした。本当にありがとうございました!」と改めて感謝の言葉を述べた。曲を作り、音源としてリリースしライヴで披露する。すると作った時には思ってもいなかった意味合いが曲に乗っかる時があり、曲から何か教わるような気持ちになることがあると続ける。

「平日の忙しい時に僕らに時間を作ってくれて、駆けつけてくれて。そしてこれだけのパワーを、声援を、僕らに贈ってくれて。そんな皆さんと僕らの関係性を歌っている曲にも聴こえてくるなと、コンサートで歌いながら思った曲です。」本編最後、そういう気持ちを感じたと語る“ハナツ”を、オーディエンスとの繋がりを紡ぐように歌い上げた。

アンコール、生放送も終わり少し緊張がほぐれた様子の二人は、改めてバンドメンバーを呼び入れると「シンタワールド全開」と言う“電話キ”へ。この曲は今ツアーで初めて演奏、更に常田も歌を披露。レアな状況に歓声が上がり、訥々と歌う聴き慣れない常田の歌声にオーディエンスも興味深く耳を傾けている。ファンからも人気の高い“デザイナーズマンション”。パーカッションとドラムの対決には会場が熱狂し、大橋、常田も食い入るように見つめる。更に各プレイヤーの演奏も際立ち、都度オーディエンスを興奮させた。曲が終わり、互いの演奏をたたえ合う拍手にミュージシャンシップを感じる。

ツアーではこういうミュージシャンにも刺激を受けつつ、どんどんやりたいことが増えていくという大橋。「POPMAN’S CARNIVALが好評であれば、Vol.2、Vol.3とやっていきたいです。」その言葉には勿論賛同の大きな拍手。今後も曲を作りながら新しいステージングや音楽の表現方法を届けていきたいという彼らのツアーファイナル、“サウンドオブ”で『スキマスイッチ TOUR2016“POPMAN’S CARNIVAL”supported by MINISTOP』の幕は閉じた。

TEXT:秋山昌未


全国ツアー『スキマスイッチ TOUR2016“POPMAN’S CARNIVAL”supported by MINISTOP』東京・昭和女子大学 人見記念講堂
7月11日(月)、12日(火)

■ セットリスト(21曲演奏・アンコール含む)
M00. Opening Inst
M01. 晴ときどき曇
M02. LとR
M03. 飲みに来ないか
M04. 水色のスカート ※病院にいく(11日)
M05. かけら ほのか
M06. 時間の止め方
M07. 1+1 ※またね。(11日)
M08. 僕と傘と日曜日
M09. ソングライアー
M10. 君曜日
M11. フレ!フレ!
M12. ボクノート ※スカーレット(11日)
M13. LINE
M14. ユリーカ
M15. パラボラヴァ
M16. Ah Yeah!!
M17. 全力少年
M18. ハナツ

Encore
En1. 電話キ
En2. デザイナーズマンション
En3. サウンドオブ

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