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サーフ・ミュージック・シーンの先駆者Gラヴ、初の完全ソロ・ショウ公演ライヴレポート!

May 30, 2016 15:20

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サーフ・ミュージック・シーンの先駆者Gラヴ、初の完全ソロ・ショウ公演ライヴレポート!

ジャズやブルース等のルーツ・ミュージックとヒップホップを融合させ、サーフ・ミュージックの先駆者としてもシーンを牽引するGラヴが、ソロ公演を大盛況で終了させた。今回はデビューから22年目を迎えて“初”の全編1人での貴重なソロ・ショウのライヴレポートとなるが、Gラヴは、7月には自身のバンド“スペシャル・ソース”と共に20周年を迎えるフジロック・フェスティバル2016での再来日が決定しており、苗場でのライヴも見逃せないものになりそうだ。

Live report by Takahisa Matsunaga
Live photo by Yoshika Horita



デビュー当時は「新世代ブルース」を奏でるシンガーソングライターとして、そして21世紀に入ってからはサーフ・ミュージックを支える存在、そして最近では再びブルースと向き合い円熟かつエキサイティングなサウンドを発信。時代とともに進化している、Gラヴ。デビューから20年以上、実は彼の初となる日本でのソロ公演が、5月29日(日)渋谷クラブクアトロにて開催された。

日曜の夕方スタートの公演ということもあってか、会場はすでにいい感じにお酒の入った観客たちが、それぞれに会話を楽しみながら、主役の登場を待っていたようなリラックスした空間。そこにピース・サインを掲げ、フラッとアコースティックギターを抱えて登場したGラヴ。「コンバンワ!」と日本語で挨拶をすると、椅子に腰掛け、昨年末にリリースされた最新アルバム『ラヴ・セイヴス・ザ・デイ』に収録されている「ニューヨーク・シティ」をパフォーマンスする。ギターにブルースハープ、さらにフットドラムを駆使しながら、奏でる圧倒的なブルースからは、ニューヨークの喧噪が見えてきたのはもちろん、彼の長いキャリアのなかで培ってきた渋味も響いてきた。その後も、最新作に収録された失恋ソングという「バック・トゥ・ボストン」をカラッとしたサウンドで響かせ、ブッカ・ホワイトのカバーで11年に発表したアルバムのタイトル曲である「フィクスィン・トゥ・ダイ」を再構築して披露。さらに途中でミスタッチをして「やっちまった」という声も出すのだが、それも楽曲のフレーズにしてしまうという即興をみせる場面もあるなど、ソロ・パフォーマンスだからこそ聴くことのできたグルーヴが満載だった。

彼が所属するレーベル「ブラッシュファイアー」の主催者であり盟友でもあるジャック・ジョンソンとのコラボ曲「レインボー」(04年発表の『シッカー・ザン・ウォーター』のサントラ盤に収録)や、「ロデオ・クラウンズ」(99年発表作『フィラデルフォニック』に収録)も披露するなど、過去を振り返る場面もあったステージ。実はここ渋谷クラブクアトロは、彼が1995年6月に初めて来日公演をおこなった「思い出の地」。初来日公演は、共に「ブルース四天王」と評された、ザ・ジョン・スペンサー・ブルースエクスプロージョンとのスプリット公演で、当時のことを鮮明に記憶していたらしい彼は「あれから20年経つんだ」と、ちょっと感慨深げだった。また「あの公演に来ていた人はいる?」と問いかけると、フロアから手を上げる人が続々。それを見ると「おー!ブラザー」と笑顔を浮かべ、あの当時のフレッシュな気持ちを思い返すように、94年にリリースされたデビュー盤から「ベイビーズ・ゴット・ソース」をパフォーマンス。軽快な「ラグ・モップ(ヒップホップとブルースをミックスさせたGラヴ開発のサウンド)」を轟かせ、会場を20年前にタイムスリップさせた。

アンコールでは、ファンからのリクエストに応じる形で3曲を披露。なかでも観客からの要望が高かった「ステッピン・ストーンズ」(97年発表作『イェー、イッツ・ザット・イージー』に収録)は、最初どう演奏するのか忘れてしまった演技をし、観客をやきもきさせる場面もあったりなど、茶目っ気もみせてくらたGラヴ(しかし演奏は、当時の軽快さを残しつつも、深みのあるブルースを漂わせるもので、Gラヴや楽曲がいい流れで進化・成長している姿がわかる素晴らしいパフォーマンスだった)。MCでは「今年は大好きな日本に2度も来られる機会を作ってもらってうれしいよ。1回目が今回で、次が7月のフジロック。今度は最高のプレイヤーである(スペシャル・ソースのメンバーの)ジミー・“ジャズ”・プレスコット(b) 、ジェフリー・“ハウスマン”・クレメンス(dr)と一緒に、今日とは違うパフォーマンスするよ。また苗場で会おう!」と語っていたが、今年で20周年を迎えるフジロック・フェスティバルのステージに、5年ぶりに登場することが決定している。そこでは、今回とはひと味異なるスリルと興奮、そしてピースとラヴを吸い込むことができることは確実。さらに夏が待ちきれなくなったライヴになった。


■『ラヴ・セイヴス・ザ・デイ』iTunes購入リンク
https://itunes.apple.com/jp/album/love-saves-day-japan-version/id1054852106

■ G・ラヴ&スペシャル・ソース 日本オフィシャル・サイト
http://www.sonymusic.co.jp/glove

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