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植田真梨恵、20分超の物語「カレンダーの12ヶ月たち」初のビルボードライブ大阪で三年振りの再演!

April 3, 2016 23:30

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植田真梨恵、20分超の物語「カレンダーの12ヶ月たち」初のビルボードライブ大阪で三年振りの再演!

2016年4月3日、植田真梨恵にとって初となるビルボードライブ大阪でのライブ“Live of Lazward Piano「カレンダーの13月 again」”が開催された。“Live of Lazward Piano”と題されたライブは、ピアノ西村広文との二人で構成されるライブで、2013年より毎年開催されている植田にとっても思い入れのあるライブである。

今年1月には、自身最大規模となるピアノワンマンライブ「植田真梨恵Live of Lazward Piano "Old-fashioned."」ツアーを敢行。勢いの止まらない植田真梨恵が本日、ビルボードライブ大阪へと降り立った。その2ndステージの模様をお伝えする。

凛とした空気の中にも、和やかな表情で開演を待ちわびる客席。「カレンダーの13月」を織り交ぜたSEが流れ出した会場に、静かに植田真梨恵が登場した。1曲目に演奏されたのは、東京・大阪で開催された[カレンダーの13月]公演以来、約3年振りの演奏となった「カレンダーの12ヶ月たち」。1曲で20分を超えるというこの楽曲は、2012年に植田が「毎月1曲、新曲を持ってライブに臨む」と掲げた目標の元、カレンダーの一月毎に曲を作り、一年間で作り上げた12の楽曲を連続する一つの話のように歌い上げた壮大な楽曲。

“虹の橋を探して独りきり旅に出た一人の男”と“世界の反対側で同じように旅を続けていたもう一人の誰か”が、それぞれの運命に巡り合い、交差しながら全てを受けとめて生きてゆく物語となっているが、1曲毎に旅立ちの月、出会いの月、悲しみの月…とそれぞれの物語に合わせ、メロディーやテンポ、拍子さえも目まぐるしく変わっていく組曲のような楽曲となっており、聴いていると悲哀、悦楽、狂気、哀愁と様々な感情が呼び起こされてゆく。柔らかく艶のある声で客席をたちまちに魅了してゆく植田。そしてその歌声にじっと聴き入る会場。ビルボードライブ大阪での記念すべき初ライブに相応しく、3年振りに演奏された20分に及ぶ楽曲を歌い切った植田に、会場から大きな拍手が送られていた。

「植田:ビルボードライブ大阪、お集りの皆さんこんばんは!植田真梨恵です!!一番最初に聴いていただいたのは、「カレンダーの12ヶ月たち」という曲でした。この曲は、一言で言うとテーマは“旅”なんですけれども、若い男の人が旅に出て、虹の橋を探す中、その途中で女の子と出会うというお話でした。そして今日は1部公演と2部公演でテーマを決めてライブを行っておりまして、2部の選曲のテーマは“あたし”という言葉が出てくる女の子目線よりの選曲にしてみました。ちなみに1部は“僕”というテーマでした。ではここからは、そういう選曲で進めてみたいと思います!」

MCに続き、Doris Dayのカバー「センチメンタル・ジャーニー」が披露された。植田のライブでは珍しい英詞のカバーに心地良さを感じる中、歌の途中で英語から日本語へ、原曲にはないセクションが披露されてゆく。“子どもの頃のように 胸がときめく 思い出は夢の中 センチメンタル かがやくの” “ねぇ あたしは今もまだ あなたとのことをずっと ほら 忘れられないのさ 涙が出ちゃう”と、植田自身で日本語詞をつけたという「センチメンタル・ジャーニー」を表現すると、続く「くちびるの奥」では、原曲のどこかひねた可愛らしさではなく、控えめに響くピアノにあわせて、ささやくように優しく歌う植田。最後は、フェイクで力強くしめた後MCへ。

「植田:今日はビルボードライブ大阪ですが、とても良い音で、本当にみなさんに良い気持ちで帰っていただきたいなと思っています。次の曲は、とっても大好きな人への気持ちを綴っている歌です。色んなことを信じるのが苦手な人のために書きました。聴いてください。」

流れるようなピアノに乗せて、一途な想いを託した「プリーズプリーズ」、対照的に穏やかさを排し、非日常を描いた「a girl」を連続で演奏すると、ここで嬉しい新曲披露のお知らせとなった。

「植田:女の子しばりの選曲でお届けしている2部の公演ですが、ラズワルドピアノというのはですね、私がアコギを弾き、ピアノ西村広文さんと二人編成で行うライブのことをラズワルドピアノとよんでいます。次に歌う曲は、東京で一日ぽっかり空いた日があって、私の中で曲を作りたいという気持ちが湧いてきまして、西村さんと一緒にスタジオに入って作った曲です。裏テーマとしては(笑)、私の曲で“幸せな曲”ってないんですよ(笑) 結婚式でも歌える曲があったらいいなと思って作った曲でもあります。では、楽しく聴いてもらいたいので、良かったら、軽めに手拍子を、大き目でも大丈夫ですので手拍子をください(笑)。」

新曲としてタイトルコールされたのは、ずばり「パエリア」。曲を聴きながら、思わず料理をしたくなるようなウキウキする曲調・歌詞が並ぶ。くせになるピアノのフレーズ・リズムに、“これは大好物 年代物のチーズ”“これは大発見 宝物の地図”と早口言葉のように詰め込まれた言葉、日常の幸せを切り取った心温まる1曲に、会場も手拍子で応え、大きく声援を送っているようだった。次いで、アコースティックギターに華やかなピアノ、思わず踊り出したくなるような「よるのさんぽ」が披露されると、会場が一体になる程の大きな手拍子が鳴り響く。続いて間髪入れずにライブでは欠かせない「ハルシネーション」が演奏された。激しいピアノ、何か思い詰めるように歌う植田の歌声。どんどん加速するよう、勢いを増す二人の音に引き込まれたまま、本編最終曲を迎えることとなった。

「植田:“あたし”しばりの[カレンダーの13月 again]楽しんでいただけましたでしょうか。本当に今日はとっても良い経験をさせていただいたなと思います。こうやって今日初めて私のライブに足を運んで下さった皆さん本当にありがとうございました!! 次が最後の曲なんですけれども、私は歌が好きで、歌詞も大好きです。メッセージのある歌が大好きです。皆さんの毎日に辛い時とか楽しい時があっても、胸に入ってきて、パワーになれるような歌詞が書けたらいいなと思っています。そういう歌を歌う歌手になりたいなとずっと思っています。皆さんの中に届いてほしいメッセージがある曲を最後に歌います。今日は本当にありがとうございました!!」

挨拶に続き、披露されたのは最新シングル「スペクタクル」。原曲とは異なったピアノならではのアレンジで、前半はしっとりと聴かせたかと思うと、後半は全身から振り絞るように声を出し、客席へと思いを届けてゆく植田。“勇気を出して、道を歩んでいこう”という気持ちがしっかりと伝わってくる力強い声で歌い切った後、ライブ本編は終了となった。ステージを後にした植田に会場からアンコールが鳴り響き、再び姿を現したシルエットに大きな拍手が起こった。

「植田:早かった!!ビルボードライブ大阪。まじ緊張した!でも、またいつか戻ってきたいと思います!今日は本当にありがとうございました!!」

4月6日に初めてのライブDVD「UTAUTAU vol.2」をリリースする喜びと植田の今の想いが素直に語られた後、本日最後を飾る「メリーゴーランド」のイントロが流れ出した。ピアノのみだが間違いなくロックな一曲に、客席もリズムを取りながら、この場を楽しんでいる様子が十分に伝わってくる。“辛い時でも、攻めて闘い続けている人に歌いたい”という植田の言葉通り、懸命に全身を使って歌う姿に鼓舞されるよう、必死にステージを見つめる客席。会場が植田真梨恵の世界観一色になったところで、“Live of Lazward Piano「カレンダーの13月 again」”は終演となった。

誰もいなくなったステージに聴こえてきたのは最新シングル「スペクタクル」のc/w「カレンダーの13月」。本日披露された20分超の楽曲「カレンダーの12ヶ月たち」のエピローグ的に書き下ろされたこの曲で、この日のステージは幕を閉じた。

スチール撮影:竹谷さくら


■ 植田真梨恵オフィシャルサイト
http://uedamarie.com/

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