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さかいゆう TOUR 2015"ジャスミン" ライブレポート 2015.12.19 中野サンプラザホール

さかいゆう TOUR 2015"ジャスミン" ライブレポート 2015.12.19 中野サンプラザホール

December 24, 2015 19:00

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今年10月にリリースされたニューシングル『ジャスミン』を携えたツアー【さかいゆう TOUR 2015“ジャスミン”】が、11月30日(月)福岡 DRUM Be-1を皮切りに全国五大都市にて開催。12月19日(土)東京・中野サンプラザホールにてファイナルを迎えた。

「どいつもこいつも騒げー!」

さかいは側転で登場から盛り上げると、デビュー曲“ストーリー”でライヴスタート。繰り返されるイントロの音階は、それだけで十分オーディエンスを沸かせる。今回の“さかいゆうバンド”は種子田健(Ba)、 田中"TAK"拓也(G)、 望月敬史(Dr)、pochi(Key)に加え、大阪と東京だけのスペシャルメンバーLyn&吉岡悠歩(Cho)と、堅塁を誇るメンバー。続けざまに“WALK ON AIR”へ。

序盤からさかい自身のボルテージも上がっているのが見て取れ、曲が終わるとピアノに手をかけ勢いよく上体反らし。ライヴ中に身体能力の高さをちょいちょい披露するのも、最近のさかいのステージでは恒例。今回は、初めてさかいのライヴを観に来た人も、昔からライヴを観ている人も楽しめるようなセットリストを考えているらしく「いつも演らない曲も、泣く泣く練習させていただきました(笑)。」と会場を笑わせる。いや、しかし、実際のところ、さかいの楽曲は難しい。30%くらいはリアルな発言かもしれない(笑)と思いつつ、リリースツアー以外ではなかなか聴くことが出来ない曲や、古い曲などもセットリストには組み込まれているのも楽しみだ。

続く“パスポート”も、2012年の【さかいゆうTOUR2012 “How’s it going?”】以来、ライヴでのプレイがなかったため、さかいがタイトルを告げると歓声が上がる。半分立ち上がったような姿勢で弾むようにピアノを弾き、時折メンバーを見ては呼吸を合わせ都度嬉しそうな表情を浮かべる。ミュージシャンなら当たり前かもしれないが、特にさかいのそういう笑顔は、まさに音楽で水を得た魚のよう。

ここからはカヴァーを2曲披露。好きだからという理由だけでなく、自分の「血」になり、心の底から影響を受けたと思える作品をカヴァーするのがさかい流。『ジャスミン』のc/wでもあるORIGINAL LOVEの“接吻”について話しながら冒頭部分をピアノを弾き出すと、さかいが生まれて初めてカヴァーをしたマーヴィン・ゲイの“What's Going on”とコード展開が同じことを発見したらしく「僕がソウル好きというか、自分の響く音、“あぁ、たまらない!”という音は、わざわざマーヴィン・ゲイを聴かなくても田島貴男のAm9の中にあったわけですよ!そこに感動してカヴァーしたわけです!」と熱弁を振った!キーやテンポを変えたさかいゆうヴァージョンの“接吻”。セッションのような長いアウトロ、柔らかいさかいの歌声は、オリジナルとは違う魅力でアーバンなブライト感に溢れていた。ここで田中以外のメンバーは一旦退出。さかいはピアノから離れるとハンドマイクでステージ下手へ。彼のハンドマイク姿はオーガスタキャンプでしか見られないため、オーディエンスも大歓声!

マイケル・ジャクソンのカヴァー“ROCK WITH YOU”で盛り上げると、オーディエンスのシンガロングも響き渡りボルテージも上がる。田中が退出し、今度はpochiが登場。ステージ上手側に座ったさかいは、pochiと共通の親友、内田壮志について語り始めた。groovelineというファンク・ジャズ・バンドで活動し、日本でも人気が出始めた頃だったが、内田はNYで活動する夢を実現したいという想いを胸にNYへ旅立った。その寂しさで、かける言葉が見つからなかったさかいは、「あまりやりたくなかったんですが。」という前置きをつけて、曲を書いたことを語る。それが“sammy”。パーソナルな楽曲のため、人前で歌うことはないだろうと思っていたらしいが、スタッフからの熱望もあり『まなざし☆デイドリーム』のc/wとして収録。しかし「この曲を歌う時は、みなさんに向けてではなく壮志に向けて歌っちゃうので、あまり歌いたくないと思っていた。でもせっかくpochiもいるので…。」と心のうちを明かしながら“sammy”へ。さかいの高く美しい声は繊細に響く。途中で立ち上がり、ピアノへ戻ったさかいの後ろでは、pochiが静かに鍵盤を弾く。曲を通して今、きっとこの二人には同じ風景が浮かんでいるんだろう。さかいのパーソナルの欠片をオーディエンスはじっと聴いていた。

「自分の日記や手紙を読まれている気分になったぜー。」さかいは、わざとふざけた口調と笑顔で空気を変えると、再びバンドメンバーを呼び入れる。…が吉岡だけ呼び入れず「誰一人欠けることなく」と鉄板ネタで会場を笑わせるとライヴも後半戦へ。Twitter等でリクエストされた“Room”と、インディーズ時代の楽曲“月明かりのメランコリック”へ。やはりこういう楽曲が聴けるのは嬉しい。

ここでアルバム『4YU』が来年2月3日にリリースされることを改めて報告。更に【さかいゆうTOUR 2016 “4YU”】と題されたツアーも発表!2016年6月17日(金)@札幌・cube gardenからスタートし、7月3日(日)@東京・昭和女子大学人見記念講堂でファイナルを迎える。「今迄一番時間がかかったアルバムです。かと言って難産というわけではないけれど、丁寧に丁寧に作らさせて頂きました。」一年がかりで作ったという『4YU』から“愛は微熱”と“トウキョーSOUL”を披露。「まだまだいくぜー!声が聴きたいぜー!」そういうと“まなざし☆デイドリーム”でオーディエンスも立ち上がり、シンガロングとクラップで盛り上がる。

「ミュージシャンというお仕事は誰でも出来るわけではないですが、僕のデビューは2009年10月7日(当時)30歳です。やっぱりミュージシャンはやめられません。この中にもしミュージシャンを目指す方がいましたら、どうぞ頑張って、いつか一緒に演りたいです。」まるで酔ってしみじみと本音を語るような口調でゆっくりと話す。
本編最後は“ジャスミン”。ペルシャ語で「天からの贈り物」という意味を持つジャスミン。それぞれの大切な人を思い描いて聴いて欲しいと言うと、アウトロで「僕のジャスミンは中野サンプラザに来てくれた皆様ですー!ありがとう!それぞれのジャスミンを大切にして下さい。」と、歌いながらの感謝の言葉で本編を締めくくった。

アンコール、ひとりで登場したさかい。一通りグッズ紹介を終えると、最後にグッズのジャスミンのアロマオイルをタオルにふりかけ、それを持って客席へ!歓声を受けながら一階席をタオルを振り回したりパタパタしたりと走り回る。二階席はさかいと同い年のオーディエンスがボランティアで客席を回り、さかいのMCさえも途切れるほど盛り上がる(笑)。客席にジャスミンのほのかな香りが漂うの中、三度メンバーを呼び入れ、ここでも吉岡オチをするも「折角ここには二人も素敵なシンガーがいるので、彼らとセッションしたいと思うー!」そう叫ぶと吉岡とLynの歌うMaroon5の“Sunday Morning”から“ピエロチック”へ。間奏ではさりげなくクリスマス曲を差し込んだり、アウトロで吉岡とヴォーカル&コーラス対決するも、気がつけば「悠歩黙れ」などと歌っていたり。更にMC中、赤ん坊の鳴き声を聞けば「最近ファン層の幅が広がりました。」などとユーモアたっぷりでオーディエンスを笑わせる。

2016年1月1日(金)に放送されるNHK年始特番「MINYO SOUL~唄は、時空を超える~」に出演するさかいはその番組でも演奏した、高知県人なら誰でも知っているという古い民謡を“よさこい鳴子踊り”をアグレッシブなR&Bアレンジで披露。『4YU』の初回盤にも収録されるこの楽曲は、さかいのDNAに組み込まれた民謡と、ミュージシャンとして血や肉になるまで聴きこんだジャズやR&B。オーディエンスはこの和と洋が融合したグルーヴに熱狂した!割れんばかりの拍手と大歓声の中、最後の“薔薇とローズ”では会場一体となるコール&レスポンスで【さかいゆう TOUR 2015“ジャスミン”】ファイナルは、2時間40分の熱いステージが幕を閉じた。

Text:秋山昌未


□ セットリスト
01. ストーリー
02. WALK ON AIR
03. パスポート
04. ララバイ
05. されど僕らの日々
06. 接吻(ORIGINAL LOVE カヴァー)
07. ROCK WITH YOU(マイケル・ジャクソン カヴァー)
08. sammy
09. Room
10. 月明かりのメランコリック
11. 愛は微熱(新曲)
12. トウキョーSOUL(新曲)
13. まなざし☆デイドリーム
14. ジャスミン

Encore
En1. ピエロチック
En2. よさこい鳴子踊り
En3. 薔薇とローズ


■ オフィシャルHP
http://www.office-augusta.com/sakaiyu/

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