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星加ルミ子 VS 東大ビートルズ研究会 行司サエキけんぞう、ザ・ビートルズ1 爆音試写会トークショーレポート

December 1, 2015 16:30

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星加ルミ子 VS 東大ビートルズ研究会 行司サエキけんぞう、ザ・ビートルズ1 爆音試写会トークショーレポート

2015年11月6日世界同時発売された『ザ・ビートルズ1』。ビートルズシングルヒット曲をまとめたこのベスト・アルバムは、最先端技術で最良の映像を2K、4K解像度でリペア(修復)、レストア(復元)、そしてリマスターを行い高精細度(HD)化され、世界で3,200万枚、日本国内でも320万枚をセールス。オリコン、iTunesで1位を獲得するなど、日本では史上最も売れた洋楽アルバムのひとつである。そんな大ヒット中の『ザ・ビートルズ1』の爆音試写会が11月30日(月)に全国5か所のZEPP(札幌、東京DiverCity、名古屋、大阪、福岡)で同時開催。

今回の試写会は、美しくよみがえった映像、音源を収録した『ザ・ビートルズ1』 全27曲を600-650インチ相当、SONYの4Kプロジェクターが新たに導入されたZeppで、高画質上映、ライヴ・ホールのサウンド・システムで爆音上映。Zepp DiverCityでは、「ビートルズに一番近い編集者、星加ルミ子 VS東大ビートルズ研究会 ザ・ビートルズ1 爆音試写会で対決。行司 サエキけんぞう」と題し、試写会の前にトークショーが行われた。

行司役である司会のサエキけんぞう(パール兄弟)が登場すると、東大ビートルズ研究会アビーロード(以下:アビーロード)のメンバー3人と、 ビートルズを語るのに外せない星加ルミ子氏を招き入れた。アビーロードのメンバーは、親が強烈な音楽マニアだったことや、母親が取っておいたカセットテープをたまたま聴いたこと、絵が好きだったことから『Revolver』のジャケットに興味を持ったことなど、ビートルズファンになるきっかけは様々。

b2015120102.jpg一方星加がビートルズに出会ったのは1963年。東芝音工のディレクターが「プリーズプリーズミー」と「抱きしめたい」のシングルレコードを持って来たことが始まり。しかしその時は何も感じなかったらしく、実際、日本の音楽業界自体も当時のビートルズにはあまり興味を示してなかったと言う。そのため「むしろファンの方が早かった。」と当時を振り返ると、学校帰りの女子高生達が「ビートルズのニュースがあれば何でも良いから教えて欲しい。新しい写真があれば見せて欲しい。」とミュージック・ライフに詰めかけたエピソードを語った。そういう声が大きくなってきた頃から65年に星加がビートルズ取材を決行。(初めて飛行機に乗ることや、朝から晩まで英語で話さなくてはいけないなどの理由から、当時はかなり嫌がっていたようだ。)

本題とも言える『ビートルズ1』についてアビーロードのメンバーは、リマスターすることによって各トラックが際立ち「このコーラスでは何て歌っているんだろう?と思った部分に気付きを与えてくれました。」と語る。それに対しサエキは、「普通は最新の技術を使って掘り下げると粗が見えるのに、ビートルズの場合は出せば出す程良くなる!」と、ビートルズサウンドの凄さを再確認。星加は「ビートルズの音楽性は、もの凄く普遍的な部分を持っていて、新しいとか古いとかを全く感じさせない。50年経った今聴いても非常に良い。そういう意味ではクラッシックと似ていますよね。」とコメント。

b2015120101.jpg更にビートルズのメンバーついて星加は「ジグソーパズルのピースのよう。この4人じゃないとビートルズとして成り立たなかったと言う位、ピタッとハマっているんです。」と彼らの人間的魅力について触れる。だからこそ解散後の彼らと見比べてしまうと言うサエキの言葉には星加も激しく同意しながら「そういうところも想い合わせながら観ていくと、余計興味が沸くんじゃないかな。」と言葉を繋げた。また女性のアビーロードメンバーが、大好きなポールの姿を高画質で観られることが嬉しいと話せば、「若い人と意見があった!」と、やはりポール好きの星加が「ポールは本当に可愛い!」と茶目っ気たっぷりの笑顔を見せる。

アビーロードメンバーは星加へ「65年、マスコミを避けることが多くなったビートルズに何故インタビュー出来たんですか?」と質問。「最初は、編集長という肩書きは持っているけれどファンに毛の生えたような記者が来たという感じで、優しくしてくれました。」と当時を振り返り、その後星加がジョンと同い歳だと言うとジョンは疑い「パスポートを見せろ。」と言われたことや、ジョージ・ハリスンが星加の着ていた着物に対して「どうしてこんなに太いベルトをしているんだ?スリーブは何でこんなにロングなんだ?」と興味津々だったことなどを話すと、会場からも笑いが。同じジェネレーションだということや着物がきっかけで仲良くなれたと星加。その後何度会いに行っても彼らの裏表のなさは変わらなかったことなど、星加ならではの話が続いた。

また、ビートルズが来日した際、帰国前日に彼らのホテルへ行った時の話へ。公演関係者やスタッフが集まる中でジョンが解散発言。一瞬現場が静まるも、すぐに冗談だと分かり笑いが起こる。しかし当時のマネージャーであるブライアン・エプスタインだけが笑わず、星加を突いて「今のは書かないで。」と指示があったと言う。最後の66年NYシェイ・スタジアム公演は、海賊版ですらなかなか出回っていないことについてサエキが「どんな状況だったんですか。すごい光景があったということですが。」と星加へ訪ねる。66年のツアー中、大きな5都市だけ同行した星加は「凄まじかった。演奏が始まると3階席から人間が降ってくるんです。」と当時のシェイ・スタジアムを振り返った。事前にセイフティネットはかけられていた為、大事には至らなかったらしいが、それに驚いたポールが演奏を止めたり歌詞を間違えたりと動揺を隠せず、さすがのエプスタインもこの日の映像を外に出すことを禁じたと語った。 これにはアビーロードのメンバーをはじめ、会場からも興味深げな声があがり、星加だからこそ語れるエピソードでトークショーは幕を閉じ、イベントは『ザ・ビートルズ1』爆音試写会へと続いた。

text&photo:秋山昌未


『ザ・ビートルズ1』
イギリスのミュージック・ウィーク(Music Week)誌とアメリカのビルボード誌の両方、もしくはどちらかの国で1位になった曲を収録したベストアルバム。全27曲の音源はザ・ビートルズのプロデューサーとして名高いジョージ・マーティンの息子であり、ビートルズ関連作品で米グラミー賞を受賞しているジャイルズ・マーティンによって最新ミックスが施され、また初のミュージック・ビデオ集が付いた作品として2015年11月6日世界同時発売。多忙を極めたバンドは1965年11月23日の一日を費やして、イギリスのトゥイッケナム・スタジオで自分たちのヒット曲5曲のビデオを撮影。これが「プロモーション・ビデオ」の元祖と呼ばれているもの。撮影された5曲は「アイ・フィール・ファイン」、「涙の乗車券」、「ヘルプ」、「デイ・トリッパー」、「恋を抱きしめよう」の5曲。ビートルズは過密なスケジュールでツアーに赴けない国が多かったので、このフィルムを世界各国のTV局に送付すれば、飽くことを知らない彼らの音楽に対する欲求を多少なりとも満たせるのではないかと考え、ミュージック・ビデオの撮影を行った。


「このビデオとフィルムはぼくらが生きていた時代を鮮烈に蘇らせてくれる。しかもロックしているんだ!」<ポール・マッカートニー>

「こうやって自分たちのつくったビデオを見るのは、すごく面白いと思うし、中には素晴らしいものや、本当に素晴らしいのもある。これがなきゃ馬に乗ることなんて、たぶん絶対になかったはずだ」<リンゴ・スター>

  インフォメーション

ザ・ビートルズ
『ザ・ビートルズ1』
2015年11月6日世界同時発売!


CD_2Bluray20150915.jpg

7形態で発売。

□ UNIVERSAL MUSIC STORE ザ・ビートルズ
http://store.universal-music.co.jp/fs/artist/c/the-beatles

□ ユニバーサルミュージック ザ・ビートルズ
http://um-llc.jp/beatles/

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