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海蔵亮太、亡くなった友人への想いと新たな挑戦。3rd アルバム『コトダマ』インタビュー

海蔵亮太、亡くなった友人への想いと新たな挑戦。3rd アルバム『コトダマ』インタビュー

March 1, 2022 18:00

海蔵亮太

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ー この曲はピアノベースのバラードですが、トラックがポイントになっていますね。

これは編曲のSUIさんのアイデアです。SUIさんはクラブミュージックも作れる方なので、そういう意味では今まで僕が歌ってきたジャンルにちょっとスパイスが入るような感じがしています。だから今回はSUIさんには色々な曲で編曲をお願いしました。


ー 先程、学生時代の卒業式をすごく覚えていると言われていましたが、特に思い出深い学生時代は?

中学校の頃かな。勉強と運動が忙しくて、本当に全然寝ていなかったですね。僕、バスケ部だったんですよ。


ー あ、主将をやっていたんですよね。

そうです。朝8時くらいに起きて朝練行って、夜の8時半ぐらいに家に帰って、そこからすぐ塾に行く毎日でした。だから早く終わらないかな、早く終わらないかなって毎日思ってたけど、今思い返すと充実した3年間だったなって思いますね。


ー なぜか苦しい時の方が思い返すと懐かしい記憶に残っていることが多いかもしれません。

多分そうしないと多分人間の体って持たないのかもしれませんよ。苦しいものを少しでも良い方に持っていかないと、本当に心身とも折れちゃうんじゃないかな(笑)。


ー 確かにそうかも(笑)。でもそんな大変な中学時代ではあったけど、“黒板に書いたメッセージ”や、”教室の隅の落書き”は、きっと当時の海蔵さん自身の思い出だったりするんでしょうね。

そうですね。本当に卒業式の時の風景がそのまま入ったかなって感じです。みんなで「ありがとう!」って寄せ書きしたこともすごく覚えてますし、教室をよく見るといたるところに落書きとかありませんでしたか?


ー あったね!

“これからはこういうこともできなくなるんだ……”って思っていたので、そういう感情は今でも忘れないです。


ー でも高身長でバスケ部の主将だし、ルックスも良くて頭も良いから中学時代はモテたんじゃないの?

いやいや、全然ですよ(笑)。ナリがこんなんだから…。


ー ナリって(笑)。

勉強も頑張ってたし運動もしてたけど、やっぱりよく喋るので、僕は(笑)。何ていうのかな、コミュニケーションの手数が多い人間だったんです。そうするとやっぱり異性からは恋愛対象に見られていなかった気がします。まぁ僕自身もあんまり意識していなかった部分もあったので、女子とも性別を超えた友達みたいな感じだったかな。


ー それはそれで良いですよね。

ええ。僕にとっても今でも大切な人たちですし、良い青春だったとは思います。そういえば中学校時代の友人の一人がテレビ業界でディレクターをしていてビックリしましたね(笑)。まだ一緒に仕事をしたことははないんですが、以前一度テレビ局ですれ違って、“アレ、見覚えあるな”と思ったら、その子から「さっき海ちゃんいた?」ってSNSのDMが来て、意外に世間は狭いなぁって感じましたね(笑)。


ー 確かに!曲の話に戻りますが、この「旅立つ僕らに」はSiwooさんが作曲。また何かお話したりはしましたか?

そうですね。Siwooさんとは定期的に会ってお互いが近況とかを話しています。まぁ今は定期的に会っているとはいえ、時期が時期なので前ほど頻繁には会っていませんが、でも今回も作曲をお願いしたら素敵な曲を書いてくださいました。何かもう老夫婦みたいな関係ですね(笑)。


ー 老夫婦って(笑)。

お互いがお互いの気持ち良いところを知ってるみたいな。「(Siwooさん風に)カイゾウサン、コウイウカンジ、スキデショ。」って。勿論僕もSiwooが好きな世界観は分かるし。だからこの曲も大まかなテーマは伝えていたんですが、出来上がった曲を聴いた時に「そうそう、こういうの!」っていう感じでしたね(笑)。


ー そういう意味では老夫婦(笑)良いですね。よく会っていた頃はどういうところに行っていたんですか?

Siwooは韓国の方なので、日本で外食に行く機会があまりなかったようで、ファミレスやチェーンのレストランに行きたいって行って一緒に行ったことがありました。「洋麺屋五右衛門」に行った時は感動してましたよ。美味しすぎるって。あと「鳥貴族」も感動してたな。お仕事の関係で高級な料理屋さんにはよく行くらしいんですが、そういうところで食べるよりも、ワイワイガヤガヤしたような焼き鳥の方が合ってるって(笑)。


ー 面白いですね(笑)。でもそういうコミュニケーションがあるからこそ生まれる曲もあるし、作詞作曲をすべて海蔵さんが担当した曲もありますね。その中でも個人的に「待ちぼうけ」が好きです。待ち合わせ時間の感情を色々な音を使ってユニークに表現していて。

ありがとうございます!この曲は結構遅い時間のレコーディングだったので、歌う僕もそうだし、楽器を弾いてくださる人達も深夜テンションみたいな感じになってて(笑)「こういう音を入れたら面白いじゃないか?」「こういうのはどうだろう?」とか、大人が子供のように遊びながら作った楽曲です。


ー 面白いですよね、そういうの。

ええ。楽しかったです。


ー この曲のアイデアはどういうところから生まれたんですか?

僕のリアルの体験というか、僕が東京に住むようになってすぐだったかな。渋谷駅で友達と待ち合わせすることがあったんです。でも渋谷って改札口がめちゃくちゃ多いじゃないですか。


ー 多いですね。入り組んでいるし。

そうそう!JRなのか、メトロなのかでもまた違うし。でも僕、そういうのが分からなくて「○時に渋谷駅ね」っていうことだけ約束したんですが、「え?これ一体どこの改札で待てばいいの?!」ってなっちゃって(笑)。一応時間内には着いたんですが、結局出会うまでにすごく時間がかかったりしました。でもきっと上京したての人や初デートでちょっと緊張してるカップルは待ち合わせすることでさえも、一種のアトラクションというか、ハプニングの1つや2つ起こるのかなと思ったら、そういうのを曲にしても面白いと思ったんです。オチはこの曲のような感じにしておいて、待っているのワクワクやドキドキ、色々な感情を曲にしようって。


ー 確かにありえることだし着眼点が面白いです。色々な楽器というか音を入れたのは海蔵さんのアイデアで?

いえ、ドラマーの工藤明さんが色々な小道具を持ってきてくださったんです。当日のレコーディングまで音は一切入っていなかったんですが、「色々な音を、入れられるだけ入れましょうよ!」みたいな感じでこういう感じになりました。今回は僕も所属しているミラクル・バスの岩﨑充穂さんがアルバム全体のディレクションを担当してくれたんですが、岩﨑さんのヴィジョンとして、編曲や楽器を弾いてくださる方は、どちらかというとライヴをよくやっている方で、生の表現を得意とする方にお願いしたそうなんです。この「待ちぼうけ」は「会いたい会えない」同様、すべてせーの録りしたので、そういう意味ではレコーディングだったんですけど、ちょっとライヴのような感覚ではありましたね。


ー ライヴで海蔵くんが雨の音を出しながら歌うところも観てみたいです。

面白いですよね。ミュージカルみたいな感じで!


ー 他の曲もそうですが、そういうイメージがすごく広がるアルバムだなと思います。

今、ライヴをなかなか思うように出来ないので、ライヴ感やライヴを得意とする人たちが作る音楽を、アルバムの中で感じてもらえたら嬉しいです。


ー 今後書いてみたい曲のイメージなどはありますか?

今回は自分の実話だけではないですが、どちらかというと自分ならこう思うだろうなって自分主体の曲が多かったので、次回また曲を書ける機会があれば、ちょっと性別を変えたイメージというか女性目線の曲も書いてみたいですね。あとは誰かの背中をグッと押すような曲とか。今回曲を作ってみて自分で驚いたのが、普段の僕って結構あっけらかんとしてる性格なのに、文字に起こした時はどちらかというとちょっと内向きな内容が多かったこと。それが意外でしたね。まぁそこが自分の良さかなとは思いつつ、そこから少し一歩踏み出すような、誰かの応援歌になれるようなものが書いてみたいですし、歌詞も日本語だけじゃなく、民族音楽みたいなちょっと不思議な曲も作ってみたいですね。声なのか声じゃないのか分からないみたいな。


ー ああ、それ面白いかも!

僕、結構民族楽器が好きで、インドの弦楽器シタールの音が特に大好きなんです。ちょっと異世界というか、普段の音楽とはまた違う世界に引き込まれるんじゃないかみたいな、そういうものには挑戦してみたいです。ほら、今こうやって言っておけば、スタッフにも“海蔵亮太がこんなことをやりたがってる”って知ってもらえると思うんで(笑)。


ー あはは!でも言うことは大切!

ですよね!今回のアルバム名も『コトダマ』なので、想いをきちんと口にして、実行出来るようにしたいと思うし、ここまで何曲もの曲作りをしたのが初めてだったので、ゼロから作り上げるプロセスって大変だけど楽しいなと思いました。多分僕がネガティブな考えにならなかったのは、今回このアルバムを作るにあたり一緒に頑張ってくれたチームのお陰だと思っています。チームのみんながすごく理解のある人たちというか、一緒に同じ方向を見てくださる人たちだったので、自分も自由に楽しみながら出来たと思っています。なのでそういうチームで作り上げた『コトダマ』を多くの人に聴いてもらいたいです。


ー ありがとうございました!


インタビュアー:秋山雅美(@ps_masayan


■ 海蔵亮太 公式HP
https://www.ryota-kaizo.com

■ 海蔵亮太 公式TikTok
https://vt.tiktok.com/ZSJfpdafb/

■ 「コトダマ」各音楽配信サイト
https://lnk.to/kotodama

Release

海蔵亮太 3rdアルバム
「コトダマ」

2022年2月23日発売

-収録曲-

□ CD
01. 会いたい会えない
(作詞:海蔵亮太 作曲:海蔵亮太・おだともあき 編曲:持山翔子)
02. night light
(作詞:やぎぬまかな 作曲・編曲:宮野弦士)
03. 君を好きになることが どんな罪になるっていうの?
(作詞:海蔵亮太 作曲:海蔵亮太・おだともあき 編曲:SUI)
04. Style
(作詞・作曲・編曲:きなみうみ)
05. 旅立つ僕らに
(作詞:海蔵亮太 作曲:Siwoo 編曲:SUI)
06. いつか
(作詞:海蔵亮太 作曲:海蔵亮太・おだともあき 編曲:武藤良明)
07. 距離
(作詞・作曲:海蔵亮太 編曲:橋口佳奈)
08. ここには
(作詞・作曲:海蔵亮太 編曲:SUI)
09. 良いことありますよーに
(作詞・作曲:海蔵亮太 編曲:SUI)
10. 待ちぼうけ
(作詞・作曲:海蔵亮太 編曲:持山翔子)
11. 誰そ彼-2022-
(作詞:重永亮介・加藤哉子 作曲:重永亮介 編曲:武藤良明・持山翔子)

□ TYPE-Aのみ
<DVD>
海蔵亮太 _LIVE 2021「Restart」
@渋谷・duo MUSIC EXCHANGE (2021.11.23)より
1. 抱きしめて
2. 繋がってる…
3. エイリアンズ
4. 僕が歌う理由(わけ)
5. 誰そ彼
6. 愛のカタチ
※海蔵亮太 LIVE 2021「Restart」-Behind the Scenes-
※「誰そ彼」MUSIC VIDEO
※「会いたい会えない」MUSIC VIDEO (Another Ver.)

コトダマ

TYPE-A(CD+DVD)

CRCP-40635 / ¥4,500(税抜価格¥4,091)

コトダマ

TYPE-B(CD)

CRCP-40636 / ¥3,000(税抜価格¥2,727)

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