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関取花、メジャー2ndミニアルバム『きっと私を待っている』インタビュー

関取花、メジャー2ndミニアルバム『きっと私を待っている』インタビュー

March 3, 2020 19:30

関取花

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ー 関取さんのメロディも、良い意味でわかりやすさがありますよね。すぐ口ずさみたくなるというか。

あ、本当ですか?嬉しい。昔は分けて考えていたんです。例えばポップソングを作るとしたら、メロディもサウンドも完全にJ-POPに振り切らなきゃいけないって。特に『逆上がりの向こうがわ』では、“今はきちんとJ-POPをやらなきゃ”って思ったんです。ただ結果的にすごく勉強になったので良かったと思っていますが。一方で、セルフプロデュースの曲に関しては、音楽を始めてからのルーツに寄った音作りを意識していました。でも今作ではもっと肩の力を抜いて、どちらも大好きな音楽のジャンルだし、もっとハイブリッドに表現することが今の自分なら出来るんじゃないかなと思ったんです。


ー すごく納得出来ます。あと「街は薄紅色」はトオミヨウさんがプロデュースですね。

はい。トオミさんとお会いするのは初めてだったんですが、トオミさんがアレンジされている曲が好きで、よく聴いていたんです。トオミさんのアレンジってやり過ぎないんですよね。シンガーソングライターのルーツ感や個性を活かすアレンジが本当にお上手で、それこそ私がポップスのシンガーソングライターとして求めるアレンジの素敵なところが詰まっている方だという印象です。石崎ひゅーいさんもそうですし、最近では安藤裕子さんや平井堅さん…。


ー あと秦 基博さんとかあいみょんさん。

ああ、そうですね。すごく絶妙なバランスなんですよね。


ー 関取さんがおっしゃられたように、アーティストの個性を活かしつつ寄り添い過ぎず、良い感じの抜け感というか。

そうそう、そうなんです!引き算というか抜け感の美学って、私が求めるJ-POPの今やりたいことや、昔から聴いている好きな音楽にとても通じていて。だから今回ご一緒出来て嬉しかったです。「街は薄紅色」ではオルガンや12弦ギターを使いたかったので昔のソフトロックのイメージに寄せようかなと自分では思っていました。で、まずソフトロックのイメージで書いたは書いたんですが、もっとJ-POPっぽいキラッとしたキメの感じがあっても良いかなと思い、そのどちらかだとお伝えしたら、トオミさんはその場ですぐにイメージが掴めたようで、後日アレンジのデモを頂いたんですが、それがまさに私が求めるソフトロックとJ-POPの真ん中をバッチリ表現されていて。本当に凄いです!お伝えしたワードが余すことなく伝わっていたことも嬉しかったんですが、私がこの曲で一番求めていたアレンジに仕上がったのは本当に嬉しかったです。トオミさんはこの曲でピアノとオルガンも担当して下さったんですが、レコーディングに参加して下さった他のミュージシャン(12Gt・Banjo,秋山浩徳、Ba,隅倉弘至、Dr,岡田梨沙)もずっと大好きな方々ばかりだったので、本当に何も言うことはありませんっていう感じで大満足です。


ー 好きなミュージシャンで作れる音楽って最高ですね。

本当にそうなんです。この曲のデモが出来た時、自分の頭の中でこの曲はりっちゃん(岡田梨沙)に叩いて欲しいって、頭の中でドラムを叩く画すら浮かんでいたんです。そしたらたまたまトオミさんも以前りっちゃんとお仕事をしたことがあったらしく、りっちゃんの名前が出て、今回お願いすることが出来ました。


ー「考えるだけ」は マリンバの音色が可愛らしいですね。でも可愛いだけでなく、きちんと曲のテンションを引き出していて。

そうですよね。マリンバのシーナアキコさんは鍵盤をはじめ色々な楽器が出来る方で、以前ライブのサポートもしていただきました。ピンチヒッターとして一度ライヴに入ってもらったんですが、その時本当に素晴らしくて。私がライヴでの曲に求めるアレンジや遊び心が自然と出てくるような方なので、その時点で次の作品を録る時は絶対にレコーディングで参加して欲しいと思っていました。それでこの曲が出来た時に、ちょっとマヌケな歌詞(笑)にマリンバの可愛い音を合わせたら面白くなると思い、シーナさんにお願いしました。


ー 関取さんはこの歌詞みたく、名前も知らない人を好きになった経験はありましたか?

いやぁ…一目惚れはないかな。ただ恋ではないけど、電車や町中ですっごく綺麗な方がいると、ついつい見ちゃいますね(笑)。それこそ都内だと「モデルさん?」と思うような可愛い女性が沢山いるじゃないですか。


ー 顔がめちゃくちゃ小さかったり!

そうそう!たまにスーパーとかで見かけると、“こういう人はどういう生活をして、何を食べているんだろう…”って気になって、真似して果物とか買ったことはあります(笑)。


ー アハハ、分かります、それ。

やっぱり気になっちゃうんですよね。だからこういう曲の発想も起点はそこにあると思います。多分私自身は、見た目の感じと部屋の感じが想像しやすいタイプだと思うんです。この感じでクールなモノトーンの部屋には住んでなさそうとか。


ー 今、同じことを考えていました(笑)。

でしょ(笑)。まぁ男性も女性もあまりに完成されていると想像出来なかったり、逆に、きっとこんな部屋に住んでいるであろうと想像したり…そんな悪い妄想癖があるんです(笑)。


ー いやいや、きちんと曲になっているんだから良いじゃないですか(笑)。

そうですね。こういう曲はサラッと書けるので、何となく「大人のみんなのうた」みたいなテンションですね。


ー「青の五線譜」は會田茂一のプロデュース。確かアイゴンさんとタッグを組まれるのは初ですよね。

はい。でもをアイゴンさんが作られた曲を青春時代に聴いていたし、ギターロックも好きなので嬉しかったです。それこそ木村カエラさんが大好きで「リルラ リルハ」なんて何度聴いたことか!今作ではミュージシャンになる前、何も考えずただただ好きだった音楽に立ち返ることもしてみたんです。そう考えた時、邦楽で何が好きだったろうと改めて思い出すと、木村カエラさんを含め、アイゴンさんが作る曲が浮かんできたんです。潔いバンドサウンドをシンガーが歌うことが衝撃だったんですよね。曲自体も青春時代の終わりを歌っているので、それなら当時の「関取花」が少しでも出て、当時の気持ちで歌えるような方にプロデュースをお願いしたいと思ったんです。


ー 実際レコーディングしてみていかがでしたか?

アイゴンさんの他に、ベースを高桑圭さんに、ドラムを恒岡章さんにをお願いしたんですが、このお三方が普段から本当に仲良くて。まとってる雰囲気がめちゃくちゃ似てるし、みんなで旅行にも行かれるそうですよ。


ー それは仲良しですね。

勿論それぞれの現場で活躍されていますが良いコンビネーションで。この曲に関してもベーシックなアレンジはありましたが、私もギターを弾いて歌ったので、まさにバンドで作っていくような感じでした。私は高校でバンドをやりたくて軽音楽部に入りましたが、オリジナル曲も作っていないのに方向性の違いでソロになった人間なので(笑)、どこかでバンドに対しての憧れはずっとあったんです。それを当時聴いていたバンドサウンドを作った方々と一緒にレコーディングして、あの時出来なかったバンドでの曲作りが出来たような気分になって、すごく楽しくて、すごく嬉しくて。


ー まさに青春の終わりを感じる切ない歌詞にはぴったりの音作りが出来たわけですね。

ええ。アレンジデモの作り方はきっとプロデューサーによって違うと思うんですけど、アイゴンさんから来たアレンジデモは、今までご一緒したどのプロデューサーさんとも違う、良い意味で新しさを感じました。作り込み過ぎていないというか。それはご自身もおっしゃっていて。あまり作り込まずに、曲を聴きながら考えてギターを弾いて下さっているんだろうなと思いましたし、まさにバンドが曲作りをする途中を見られた感じがして、すごく嬉しかったです。


ー 今作を携えて4月に開催される「春の五線譜ツアー」も楽しみですね。

作品が出来上がった後に「ライヴでどう表現しようかな」と思うこともあるんですが、 今作はライヴ映えする曲が揃ったと思います。セルフプロデュース含め、全曲バンドっぽい感覚で作れたのも大きかったです。何曲か参加してくれたりっちゃんも今回のツアーメンバーなんですよ。それにツアーのサポートメンバー全員、ソフトロックや70年代音楽、オルガンとレスリースピーカーが大好きな人たちなので(笑)、すごく楽しみです。野村陽一郎さんは前回のツアーファイナルも観に来てくれて「はなちゃん、ライヴ凄く良いね!」って褒めてくれたんですが、その時も「そのまま演るんじゃなくて、好きなように演ったらすごく良くなるから!」って言って下さったんです。だからあまり肩肘張らずに好きなことをやれば良いライヴが出来ると思っています。よく喋り、よく歌うので是非皆さんにも遊びにきてもらいたいです。


ー ありがとうございました!

インタビュアー:秋山雅美(@ps_masayan


■ 関取 花 オフィシャルHP
https://www.sekitorihana.com/

Information

Release

関取 花 メジャー2ndミニアルバム
「きっと私を待っている」

2020年3月4日発売

-収録曲-

CD
1. 逃避行
2. はじまりの時
3. 街は薄紅色
4. 考えるだけ
5. 青の五線譜
6. 家路

DVD
・逃避行(Music Video)
・どすメンタリー of きっと私を待っている

きっと私を待っている

CD+DVD通常盤のみで発売となります

UMCK-1652 / ¥2,530(税込)

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