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Kitri、2nd EP『Secondo』インタビュー

Kitri、2nd EP『Secondo』インタビュー

July 31, 2019 12:20

Kitri

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ー Monaさんは絵を描かれますよね。「キトリの音楽会 #1」でも飾られているのを拝見しました。

Mona:ありがとうございます。実はモノトーンの絵はHinaで、絵の具で彩色しているのが私なんです。


ー あ、Hinaさんも描かれるんですね!

Hina:本当にたまにですけど。姉の方がよく描いていますね。

Mona:最近は全然描けていないんですけどね。ただKitriの活動として絵を描かせて頂く機会があることは嬉しいです。やはり絵を描くことは好きなので。


ー プロデューサーの大橋トリオさんについてですが、『Primo』でメールインタビューをさせて頂いた時、大橋トリオさんについて、音について明確なイメージを持っている芯の通った方だと言われていましたが、それは今作でも同じでしょうか。

Mona:ええ。誤魔化されるところが一切ないんです。音に対してのイメージや、良し悪しを明確に持たれている方で、センスや耳の良さにいつも驚かされています。そういう方なので、いい加減なことは言わず「今の良かったよ!」って自信を持って伝えてくれるのですごく信頼していますし、そういう大橋さんの姿勢を学びながら、自分たちも自身が作る音に対して「これは良くなかった」「この部分は良かった」って、人に左右されず意見を持てるようになりたいです。大橋さんと一緒に音作りさせて頂きながら、そう感じました。


ー 特に今回、大橋さんとの制作で印象に残っていることは何でしょうか。

Mona:私が「矛盾律」のピアノを一人で弾きながら大橋さんにディレクションして頂いた時、大橋さんが私以上に「あ、今のところはすごく大事な音だから、もっと盛り上がって!ここめちゃくちゃポイント!」って言ってくださって。大橋さんは曲をすごく聴き込んでいて、ご自身が考えるポイントや曲の良いところを、まるでご自分の曲かのように言ってくださるので、作った私が意識していなかったポイントを意識するようになり、この曲の良さを再発見出来て嬉しかったですし、印象深かったです。


ー Hinaさんはいかがですか?

Hina: 沢山あるマイクの中から、結構時間をかけて私たちの声に合うマイク選びをして下さったり、リラックスして最善の状態で歌えるよう歌は自宅録音したりなど、色々な計らいをして下さったことがすごく印象に残っています。


ー 確か『Primo』の時もそうでしたよね。

Hina:そうです。今回もそうやって良い音作りを常に考えてくれていました。


ー それが良い作品に繋がるわけですね。

Mona:そう思います!


ー「Dear」を最初聴いた時、バラードだからという理由ではなく、何か他の曲とは違う雰囲気を感じました。歌詞はともかくとしてサウンドと声の穏やかは、ホラーやサスペンス映画にあるような、一種の戦いが終わった後のエンドロールみたいだと…。

Mona:今回『Secondo』を作るにあたって、ピアノと歌だけでシンプルに歌を聴いてもらえるバラードが欲しいと思ったんです。だからこの曲は連弾ではなくソロで、ピアノの音数も最小限にしています。


ー 連弾ではないことが他の曲と違う雰囲気になっていたんです。

Mona:それはあると思います。


ー 切なさも感じつつ懐かしさを覚える歌詞も印象的でした。

Hina:この曲の歌詞は私が書いたんですが、曲を初めて聴いた時に私もドラマチックな物語を感じました。それは聴く人によって色々な解釈をしてもらいたいと思うんですが、出会いとか別れ、思い出や大切な人、大切な場所……そういう何かに思いを馳せている主人公像が浮かんできて。主人公の想いが溢れてしまって書き綴った言葉。そういうイメージを曲にしました。


ー 歌詞にあるリアルな風景に、映像が浮かんだり風を感じたりしました。Kitriさんの音楽って、どの曲も映像が浮かびやすいんですよね。

Hina:ありがとうございます。嬉しいです。

Mona:歌詞に関しては音の響きもすごく大切にしているんですが、今言って頂いたように、頭に映像が浮かんで、聴いて下さった方それぞれの物語が広がるような言葉を選べたらなぁと、その部分は意識しています。


ー そういえば以前、Kitriさんが今まで聴いてこなかったような音楽を大橋トリオさんから色々教わったそうですが、そういうことからも音の作り方やイメージの方法は変わってきましたか?

Mona:そうですね。一度レコーディングの合間に、私たちが知らない、でも好きであろう曲を色々聴かせてくれたことがあったんですが、その時大橋さんが一言「自由で良いんだよ。」と言って下さった言葉は今も忘れないです。自分の知らない音楽は無限にあるんだと思うと、音楽はこうあるべきだという固定概念から解き放たれて、自分も自由に音楽を作りたいという意識が芽生えました。


ー 大橋トリオさんに聴かせてもらったアーティストや曲で好きになったものはありますか?

Mona:ニーナ・シモンです。その時、ニーナ・シモンのライヴ映像を観せてもらったんです。


ー ニーナ・シモン良いですよね!

Mona:素晴らしかったです!彼女が歌っている姿を観て、私もHinaも映像に向かって思わず拍手しちゃいました(笑)。でもその様子を見て大橋さんも「そうなるよね。」って納得していて。あれだけライヴで魂を込めて歌う姿は刺激的だし、生ではなく映像でこれだけ人を惹きつけるのも凄いなって…。だからその日、レコーディングから帰った後にニーナ・シモンを色々聴きました。

Hina:私はスティングの曲を沢山聴かせてもらったんですが、正直それまであまり聴いていなかったんです。でも一曲の中で様々な色があるんですよね。そういう転調の仕方やサビでガラッと変わる感じが面白くて感動しました。


ー では楽曲の話に戻りますが、「終わりのつづき」の歌詞を拝見した時に、Monaさんご自身の経験を綴っているのかなという気がしたんですが。

Mona:これといったことではないんですが、もし自分に何か良いことが起きても、まだまだ世間から見たら自分はちっぽけだと思うことが多いんです。歌詞に「十分に何度も凹んできたから」とありますが、上手くいかないことって色々な場面において何度もありましたし、自分の周りの人も想像してみたんです。知人で辛い時期を乗り越えた人が何人か思い浮かんできて。そこで、今この現状はすごく苦しいけれどきっと良いことがあるはずだと、聴いて下さる方が少しでも自分を信じて、明るく前向きになれたらという想いを込めて作りました。


ー それこそお二人は凹んだ時ってどうやって立ち直るんですか?

Hina:私は結構すぐ立ち直っちゃうタイプで、一晩寝たら忘れちゃうんですよ(笑)。

Mona:(笑)。

Hina:もっと反省した方が良い時もそうなっちゃうので、駄目だなって思っているんですが。

Mona:Hinaと私って完全にタイプが違うんです(笑)。


ー というとMonaさんの場合はもっと凹んでいる時間が長いとか?

Mona:私の場合、基本がすこーし落ち込んでいる状態なんです(笑)。勿論そうかと言って何か重い問題を抱えているわけではないんですが。“あぁ…自分って駄目だなぁ”と思っているのが通常モードなので、凹むことは常に身近にあります。立ち直るというより、それが日常?(笑)。でもだからこそ、すごくちょっとしたことで喜べます。


ー そのちょっとしたこととは?

Mona:人と話していて笑うとか。そんな些細なことなんですが、そういうことが自分にとって一番ハッピーになれることなんです。決して大きな出来事ではなく、“今日いっぱい笑ったな”って。


ー Hinaさんが喜びを感じることは?

Hina:笑うのもそうですし、ご飯を食べるという基本的なことがすごく自分のテンションを上げてくれます。ちょっと凹んだ時でも、何かに癒やされたら浄化されますね。例えば鳥の声を聴いたり読書したり手話の勉強をしたり。そういうこともテンションが上がります。


ー 10月には【キトリの音楽会 #2】が開催。今回の会場は 教会など雰囲気がありそうな会場も多いんですね。

Mona:そうなんです。自分たちもまだ教会でのライヴ経験はないし、札幌時計台ホールも初めてなんです。普段なかなかライヴが出来ないような貴重な場所で演奏出来ることは、音の響きも興味深いしすごく楽しみなので是非皆さんに来て頂きたいです。前回よりもパワーアップさせることが自分たちの目標なので、もしかしたら楽器が増えるかもしれませんし、ヴォーカルが変わるかも……って、それは今思いついただけなんですが(笑)。 でも色々なアイデアを取り入れていきたいと思います。

Hina:連弾で歌うスタイルを昨年初めて観た方もいるでしょうし、今年初めて観る方もいると思うので、連弾の面白さを楽しんでもらえたらと思います。曲も増えたので新しい曲を是非ライヴで聴いて頂きたいです。

Mona:それと前回お客さんがすごく集中して観てくれたことが私たちの集中力にも繋がって刺激を頂いたので、またそういう状態を願いつつ、リラックスして頂けるよう自分たちもリラックスしながら盛り上げるような場面も作れたらと思っています。 それと、ライヴならではのアレンジもあると思うので、音源との違いを楽しみにしてもらいたいです。


ー ありがとうございました。


インタビュー:秋山雅美(@ps_masayan


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■ Kitri 日本コロムビア公式サイト
https://columbia.jp/kitri/

Information

Release

Kitri 2nd EP
「Secondo」

2019年7月24日発売

-収録曲-

1. 羅針鳥
2. 細胞のダンス
3. sion
4. 一新
5. 羅針鳥-naked-

2nd EP「Secondo」CDショップにて先行試聴キャンペーン開催!
2nd EP「Secondo」発売に先駆けて一足先にCDショップにて収録楽曲をご試聴いただけます。先行試聴期間終了までに「Secondo」を店頭にてご予約いただいた方には、特別予約特典の「ステッカー」をプレゼントいたします!この機会に是非、対象のCDショップに足をお運びください。

□ 詳細
https://columbia.jp/artist-info/kitri/info/66129.html

Secondo

CD

COCB-54286 / 1,800円+税

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